「オシムが語る」

オシムが語る

オシムが語る



「腹が読めない、言葉が足りない」。うわべしか見ないメディアはオシムのことをそう書きたがる。(中略)地方クラブであるシュトルム・グラーツオーストリア・リーグの星に昇格させた敏腕監督なのに、勝利を自分の手柄にしたことは一度もない。彼のおかげでどれほど多くの選手がフィールドで、また社会で名声を手にしたか、自慢したこともない。それどころか、本書ではあれほど大勢のずば抜けた選手を育て成功を収めたことを運が良かったからと語っている。スタジアムには付き物のうぬぼれやエゴも、そして媚びや衒いも、オシムには無縁だ。



金だけが、チャンスと成功を左右するような危険な事態を招いてはいけないと警告しているのだ。



私に民主主義を植え付けたのは母自身だ。「何でも自分の頭で考えて決めろ」と子供時代から言われていたかね。今は私が選手たちにそう言い聞かせているわけだが。