山本佳司「野洲スタイル」

野洲スタイル

野洲スタイル


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(以下、内容)



1現在の高校サッカーの問題点



とにかく守備を固め、わずかなチャンスや敵のミスを突いて、点を取ろうとしている。がっちり守って、ディフェンダーからロングボールを蹴り入れ、相手陣内に入ろうとする。その繰り返しで、見ていてもちっとも面白くない。



他校の戦い方も同じだった。フィジカル重視、守備重視のサッカー。相手の出方をうかがい、それに合わせて行動を起こすので、こういう戦いを「リアクションサッカー」というのだが、どの試合もリアクションサッカー同士のぶつかり合いだった。



高校サッカー界の一番大きな大会といえば、全国高校サッカー選手権大会だ。選手権という舞台で結果を出せるか否かが、強豪校かそうでない学校かの分かれ目になる。



2人間は危機的状況でこそ成長する(カルロス・ゴーン



ゴーン氏は、新たな部下となった社員を前にして、「世界で五本の指に入る自動車メーカーにしよう」と言ったそうだ。当時日産自動車赤字経営で、ゴーン氏はそれを立て直すために送り込まれた新社長だった。だが、「赤字を立て直そう」と言うのではなく、「世界五指に入ろう」と言ったゴーン社長の気概に、大変共感した。



3ミスへの対処



ある選手がドリブルで仕掛けて、ボールを奪われた。不運なことに、それが失点につながってしまった。そのとき、



「なんであの場面でパスを出さなかったんや」と起こる。何度もそれを繰り返すういに、その選手はドリブルで突破できる場面でも、ミスを恐れて勝負しなくなってしまうのだ。もしも、



「今回は失敗したけど、いいトライやった」と言ってあげていれば、その選手はチャレンジする気持ちを失わずにいられただろう。かける言葉一つで、選手のプレーは大きく変わるのである。