消費社会から格差社会へ
- 作者: 上野千鶴子,三浦展
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
「下流社会」「下流社会マーケティング」に引き続く、三浦さんの著作。
上野千鶴子さんと対談をしているが、
言っている事は結構核心を突いているように思う。
結局言いたい事は、団塊世代は今も大きな力を持っているけれど、
(つまり大雑把に言えば、私たちの両親の世代)
この世代が定職・定収入を得たのは時代の成長に乗っただけ、
であるということである。
ちなみに。
団塊世代とは、1947年、1948年、1949年という第一次ベビーブームに生まれた世代を言う。このベビーブームは言うまでもなく、1945年に第二次世界大戦が終結し、社会が安定に向かう中で、
SEXしまくった結果生まれた世代。
である。
(推定800万人)
-
- -
(以下、内容)
団塊世代は日本経済全体が上げ潮だったから、個人個人が努力しなくても、ひとかたまりの集団として階層が上昇しただけだと思いますね。
団塊世代の平均学歴は親の世代の平均学歴より高いですが、別に親世代より能力があるわけではなく、高等教育の大衆化の波に乗っただけ。経済成長のおかげで家計の水準も上昇して、親の世代の生活より誰もが豊かな生活を享受しているけれど、親より努力したわけじゃない。
だから僕は個人的にはなんのうらみもないけれど、分析していると腹が立つことはありますね。上野さんがおっしゃったとおり、時流に乗ってうまくやってきただけなのに、自分の力でうまくやったんだと思っている人が、何となく多い。
私は団塊世代の子育ては失敗したと思っています。私的領域が公的領域を侵食していったために、子供に公共的な価値を教えることが出来なかった。「のびのび育てる」と言いながら、野放図にしつけもしなかったり、「お父さん」と呼ぶ代わりに「かずちゃん」と呼ばせたり。自分自身が私生活主義を送っていた、その当然のツケがまわってきたんですよ。
(その他)
アメリカでは高等教育はビッグインダストリーですが、その反面、初等教育は崩壊したと言われます。自国民がうまく再生産できなくても、他の人種を使えば良い。強烈な上昇志向や競争意識は発展途上国の人材の方が強いです。