村上春樹「トニー滝谷」映画版
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: DVD
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小説は読むが、ほとんど。
村上春樹さんの小説しか読まない私。
村上さんの小説だけを、ここ10年は。
ただひたすら繰り返し、繰り返し読む。
(でも、「スプートニクの恋人」は観覧車のシーンが、
読むのが苦しくなって、それ以上、読み進められない私。
そんな村上ファン、「アナログ」文通しましょう。)
http://homepage1.nifty.com/SINDAPANDA/favorite/haruki/haruki.htm
「トニー滝谷」の映画化。
はっきり言って、期待値はメッチャ低かったが、
厳しい目を向けて見たことは間違いない。
「小説の世界を台無しにすんなよ」と。
(誰やねん)
しかし。
宮沢りえさんが、上手い。
そして。イッセー尾形さんが、
さらに上手い。
全編を通して流れる坂本龍一さんのピアノが、
素晴らしく。
その音楽にのる市川準さんの映像も面白い。
少し薄暗いトーンで、ゆっくりゆっくりと、
塗り重ねられていくシーンの数々。
まるで僕は現代美術館に居て、
絵画を見てまわっているような。
独特のテンポがそこにあった。
追伸
もし見るのなら、やっぱり。
小説→映画という流れで見た方がいいと、
個人的には思います。
小説を映画化したわけだけど、
すごく「動き」というものを削ぎ落として、
シンプルな台詞、シンプルな映像という、
ある意味では文学的な仕上がりになっていて、
すごく私は感銘を受けた。
つまり文学をベースにしているという意味では、
やっぱり映画版の作り手にも、
原作というものが強くあるように感じたわけで。
その発想の過程をなぞっていった方が、
この作品の良さがより分かるのかな、
という感じを受けたからです。