河合隼雄「カウンセリングを語る(下)」


カウンセリングを語る(下) (講談社+α文庫)

カウンセリングを語る(下) (講談社+α文庫)


「みんな論理的に考えて生まれた人は、だれもいないと思いますよ。「いろいろ考えたんだけど、まあやっぱり日本にしよう」とか。「昭和の御代が楽しいだろう」とか思って生まれた人なんていないでしょう。(中略)われわれは非常に理不尽に、この世に存在しているわけです。(中略)われわれが生きることに伴う理不尽さというものから、僕らは逃げてはならない。」


科学技術が進歩して、全てが理屈で言い表せるような錯覚にとらわれる。しかし。どこまでいっても我々の存在自体が理不尽なものだ。教育においても、理屈も大切だが、時には理不尽なことを子供に言うことも不必要ではないようである。


「間違いない話というのは役に立たないということ」(下巻P15)