野球と銀行


野球と銀行―なぜ日本は失敗したか


木村剛さんが銀行を中心とする古い経営者をバッシングし、二宮清純さんが野球(巨人)をバッシングするという、まああまり朗らかではない対話本。でも木村さんも二宮さんも好きだし、私も朗らかでない巨人バッシングが好きなのでつい買ってしまった大分前の本。


例えば、Jリーグだと川淵三郎キャプテンなんかは「Jリーガーが外国に行ってもらわなければ困る」と言う。


けれど、野球界のオーナーたちは基本的に「人気選手がメジャーに行くことは困る」と思っている。「巨人はお金をかけてメジャーから選手をとってもいいが、メジャーは巨人の人気選手を取ってはいけない」と疑いもなく信じている。


同様に「日本企業が外国企業を買収するのは構わないが、外国企業が日本企業を買収することはけしからん」と思っている経営者は山ほどいる。


おかしいよねえ。そりゃサッカー人気の裏で野球人気が凋落するのは当然だし、フジテレビもライブドアLBOしかけられ(かけ)るはずだ(別にライブドア外資じゃないですけど)。結局、高度成長期の成功体験が今の経営者を駄目にしている、んじゃないか。と私は結論付けた。


この本を読み「成功体験というのは恐ろしいものだ」という旨の話を、友人にしたところ、「それは成功してから言え」と言われ、何も言い返せなかった私。