柳井正 わがドラッカー流経営論

柳井 正 わがドラッカー流経営論

柳井 正 わがドラッカー流経営論


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(以下引用)


  • 「企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。」(「現代の経営」)
    • 「顧客の創造」というと難しく聞こえますが、企業は自分たちが何を売りたいかよりも、お客様が何を求めているのかを一番に優先して考え、付加価値のある商品を提供すべきである、ということを、この言葉は意味しています。
    • 「顧客の創造」とは、お客様の潜在意識の中に需要はあるのに、まだ商品化されていないものを提供すること。
  • 「あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。最初に問うべきは、我々の強みは何かである」(「乱気流時代の経営」)
    • 短所は切り捨てて長所を伸ばせ
  • 「成果を上げる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何に取られているかを明らかにすることからスタートする。」(経営者の条件)
    • 時間は無限ではない。自分の時間を常にチェックして自分の潜在能力を発揮するためには集中することが大切だ、というわけです。
    • 特に自分の得意なものに集中するということも肝心です。不得意なものをダラダラと時間をかけてやっていては意味がない。でも、ここが難しいところで、自分の得意・不得意、強み・弱みというのは本人は気付かないことも多いんです。だからこれはドラッカーも行っていることですが、いつまでにこれをやろうと目標を立てて、出来たことと出来ないことを見極めて、できたことをその後集中してやるようにした方がいいと思います。思いのほか、自分がそれまで不得意だと思い込んでいた仕事が効率的に運んで、客観的に自分の新たな強みを発見することもある。まずは何でも時間的な目標を定めてチャレンジしてみることが大切でしょうね。
  • 「思想」をもとにした観念的な理想主義が資本主義と社会主義との対立を生みだし、やがてナチスによってファシズム政権が出来、世界大戦が起きてヨーロッパ中の国も暮らしもすべて無茶苦茶になった。そういう時代を実際に見てきた人ですからね。経験の中から彼は、人間が幸せになるためには社会の発展が必要で、その役割を担っているのは国や政治ではなく「企業」だと考えたんです。
  • でもほとんどの会社のトップは「一生懸命がんばれ!売上を伸ばせ!」とは言うんだけど「こっちの方向を目指していこう」という肝心なことは言わないんです。そこが問題だと思いますね。売上を伸ばせば給料として還元される、それだけじゃ現場のモチベーションは高まって行きません。もっとその先にある理念をきちんと示してあげることで、現場はそこに遣り甲斐を見出し、自分の頭で考えるようになるんです。