アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役


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(以下、内容)



判断基準は人間として何が正しいか。



売上は最大に、経費は最小にする。



ただ細かくすればいいわけではない。細分化するための3つの条件。
1.切り分けるアメーバが独立採算組織として成り立つために、明確な収入が存在し、かつ、その収入を得るために要した費用を算出できること。
2.最小単位の組織であるアメーバが、ビジネスとして完結する単位であること。
3.会社全体の目的、方針を遂行できるように分割すること。



つねに組織を見直し続ける。



時間当たり採算表から創意工夫が生まれる。タイムリーに部門採算を把握する。時間意識を高め、生産性を上げる。時間当たり採算表で運用管理を統一する。時間当たり採算表では、各アメーバの収入と経費だけでなく、その差額である付加価値を計算する。その付加価値を総労働時間で割り、一時間あたりの付加価値を計算する。



なお、アメーバ間の値決めは、各アメーバの仕事をよくわかっている経営トップが、そのアメーバにかかる経費や労力を社会的な常識から正しく評価し、それに見合う売値を公平に決めるべきものである。トップは社内的には利益調整をとる。首相が国の発展と福祉を調整するように、社長は各アメーバのバランスを調整する。



仮に、あるアメーバは、自分のところの仕事が少なく、隣のアメーバは人手が足りないとすれば、余っている人員を応援として出すことが出来る。その際の時間を振り返ることで、応援を出した部門の総時間は減り、逆に応援してもらった部門の総時間が増えることになり、全体として時間を有効活用できるわけである。



京セラは経営内容を従業員にガラス張りにする「時間当たり採算制度」を導入し、会社の状況をできる限りオープンにするようにしたのである。会社の状況をオープンにすることで、従業員の参画意識を高め、やる気を引き出すことができると気づいた私は、このアメーバ経営を京セラの経営管理の根幹に置くことを決めた。