河合隼雄「家族関係を考える」


家族関係を考える (講談社現代新書)

家族関係を考える (講談社現代新書)


大学1年生の時に何かの授業で買わされた。1980年刊だから25年前の著作になるが、そんな古さは感じさせない新鮮な主張。大学1年時は良く分からなかったけど、今となっては深く心に染み渡る。


9章「家族の危機」は特に意味深い。結婚や夫婦生活がいかに困難かを思い知らされ、襟を正される。私もしょっちゅう読み返したいし、これから結婚する人にも読んでもらいたい。


「愛している二人が結婚したから幸せになる。なんてそんな馬鹿なことはない」と河合隼雄さんは、言っている。


結局、夫婦というのは。対話して、心からぶつかって、話して、議論して、憎みあって、いがみ合って。その後。死ぬ間際になる頃になって、ようやく、心の平穏がおとづれるものだろうと思う。そして、平穏の中で死を迎える。それは、死の孤独に立ち向かう人間として出来る最大の抵抗かもしれないなあ、とは思う。


だからというか何というか。僕が言いたいこといえるし、相手も言いたいこと言ってくれる人を見つけたいとはずっと思っている。これまでは一人しか出会えていませんが。ええ。いなくなってしまいました僕の不手際で。