河合隼雄「日本文化のゆくえ」


日本文化のゆくえ

日本文化のゆくえ


2000年。社会人1年目の時に読んで、非常に感銘を受けた本。河合隼雄さんは、欧米と日本の違い、日本の現在の問題点を明らかにすることがうまい。現在起きている日本社会の問題が、すごく明らかになったような気がした。


基本的なフレームは以下。


「父性原理」⇔「母性原理」
「切る」⇔「包む」
「どちらかといえば欧米」⇔「どちらかといえば日本」(しかし。現在のグローバリーゼーションの中で、お互いが近づいてきている)


まあ詳しくは、私なんかでは伝えられるべくもなく。思ったよりも読みやすいので、また興味があったら見てみてください。良い本です。

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「私を超える存在」と「自分探し」について。自分が一生懸命に頑張れば、頑張るほど、こういうことが大切になってくるように思った。


「私というものが何かによって支えられていると感じない限り、極めて不安になってくる。その支えがない限り、人間は孤独に耐えることができない。極めて限定された「私」という存在が、何らかの永続性を持ったものと関連付けられないと、どうも安心して生きられない。「私」を支えるものとして何らかの「私を超える存在」を必要とすることは、おそらく人類に共通に認められることと考えられる。」(P10)


「「自分探し」には、失くしたものを見つけるのとは異なり、どこかでそれが見つかるということはない。その過程にこそ大きい意味がある。見つからないものを探し続ける強さが「自分探し」には必要と思われる。」(P26)


そのためには、やはり「私を超える存在」を必要とする。のであろうと思う。別にそれは、宗教を意味しない。僕にとっては何かなあ。死んだ親父かもしれないなあ。とは思う。