経営の哲学 第1章

経営の哲学 (ドラッカー名言集)

経営の哲学 (ドラッカー名言集)


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(以下内容)



転換期にあって重要なことは、変わらざるものとしての基本と原則を確認することである。



あらゆる組織が社会の機関である。組織が存在するのは(中略)、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。組織とは、目的ではなく、手段である。



マネジメントには、(中略)3つの役割がある。第1に、自らの組織に特有の使命を果たす。第2に、仕事を通じて働く人たちを生かす。第3に、自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。



マネジメントにとって最大の責任は、組織の生存を確実にすることである。組織の構造を健全かつ堅固にし、打撃に耐えられるようにすることである。急激な変化に適応し、機会を捉えることである。



まず、マネジメントが行うべきことは、自らの組織があげるべき成果を明確にすることである。これは、実際に取り組んでみれば明らかなように、最も難しく、最も重要な仕事である。組織の外部に成果を生み出すために資源を組織化することこそ、マネジメントに特有の機能である。



マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。



マネジメントとは、ニーズと機会の変化に応じて、組織とそこに働くものを成長させるべきものである。組織はすべて学習と教育の機関である。



明確かつ焦点のはっきりした共通の使命だけが、組織を一体とし、成果をあげさせる。焦点の定まった明確な使命がなければ、組織はただちに組織としての信頼性を失う。



明日の組織のモデルは、オーケストラである。250人の団員はそれぞれが専門家である。チューバだけでは演奏できない。演奏するのはオーケストラである。オーケストラは250人の団員全員が同じ楽譜をもつことによって演奏する。



組織の焦点を使命に合わせ、戦略を定め、実行し、目標とする成果を明らかにする人間が必要である。このマネジメントには、大きな力が付与される。しかし、知識組織におけるマネジメントの仕事は、指揮命令ではない。方向付けである。